2025.05.19
さて、本連載も半分に到達しました。
今回は、「年間休日が120日以上ある」についてお届けします。
「医療職って、忙しいのが当たり前」
「患者さんのためだから、自分のことは後回し」
そんな気持ちで働いている医療従事者の方が多くいらっしゃいます。
しかし、命と向き合う現場だからこそ、心身を健康に保つため、休みをしっかり取ることは大切です。
「ホワイト医療機関認定」の3つ目の基準「年間休日が120日以上ある」は、そうした目線から設定されました。
さて、よく「年間休日120日以上」という項目を求人票で見かけますが、実際、どのようなイメージになるのでしょうか。
例えば、完全週休2日制(土日休み)で、祝日もしっかりお休み。加えて、年末年始や夏季休暇が取れる場合、おおむね120日前後の休日数になります。
逆にいえば、これより少ない職場は、何らかの形で休日が削られていたり、勤務の形態に工夫が必要な状況かもしれません。
「休みが多ければホワイト、少なければブラック」と単純に割り切れる話ではありませんが、「自分にとって、安心できる働き方とは何か」を考える手がかりにはなるはずです。
「人が休んでいるときにこそ、患者さんは来る」
「シフトで休めるだけでもありがたい」
医療の現場で働いていると、そんな考えが当たり前になってしまうことがあります。
もちろん、地域医療を支える現場では、土日祝も診療を行う医院も多く、シフト制や交代制で運営されていることはよくあります。
でも、その中でも「しっかり休める」「年間で120日以上は自分の時間が確保できる」という状態を維持している職場がある、ということは、知っておいて損はありません。
医療の仕事には、責任が伴います。
だからこそ、集中力や判断力、そして身体の健康が不可欠です。
休日が少ないと、どうしても心身の疲れが蓄積していきます。
「なんとなくしんどい」「ちょっとしたことでイライラする」
そんな状態では、自分を保つことも、患者さんに寄り添うことも、だんだん難しくなってきます。
「年間120日以上休める」という環境は、「医療者としての健やかさを守る」ための、土台のひとつ。
しっかり休むことは、自分の人生を大切にするためだけでなく、患者さんに質の高い医療を提供するためにも、大事なことなのです。
もちろん、「休日数が少ないから悪い職場」とは限りません。地域の事情や診療体制によって、どうしても対応が必要なケースもあります。
しかし、「もっと休みがあればな…」と感じたとき、「年間休日120日以上を確保している医療機関もある」という事実を知っていれば、選択肢はきっと広がります。
「医療に携わる者として、休んでいる暇はない」
——そう思う優しさは、ときに自分自身を置き去りにしてしまうことがあります。
しっかり働いて、しっかり休む。
そんな当たり前を大事にするための一つの目安として、「年間休日が120日以上ある」という認定基準を、「ホワイト医療機関認定」は設定しています。
■次回は…
第4回は、4つ目の基準「有給休暇消化率80%以上」についてお届けします。
よければ次もご覧ください!
日本医療労働環境改善協会(JMWEIA)
岡田 詩穂