コラム

少子高齢化が進み、人材の確保がますます難しくなる昨今、医療業界では慢性的にスタッフの確保が難しい現実に直面しています。貴院も、同じ悩みを抱えておられるのではないでしょうか。

医療の現場で働く人たちは、どこに行っても通用するスキルを持っており、今の環境が合わないと思えば、すぐにでも別の場所を求めることができます。しかし、そうして残された人は抜けた人の穴を埋めなければならず、さらに過酷な労働環境の中で働くこととなります。そして、そのような職場には新たな人はやって来ません。そんな負の連鎖が医療の質やチーム力の低下を招き、患者さんに良い医療を提供できないという結果になってしまいます。
それを防ぐには、スタッフが安心して長く働ける職場をつくらなければなりません。

では、どうすれば人が定着する強い組織をつくることができるのでしょうか。
その答えが、「ホワイト医療機関認定」です。

この認定制度では、
①厚生年金、健康保険加入、
②５年連続の昇給実績（常勤職員を対象）、
③年間休日が120日以上ある、
④有給休暇消化率90％以上、
⑤1分単位での残業計算をおこなっている、
という5つの基準をもとに、医院の職場環境を可視化・評価し、その結果を認定します。

この５つの基準は、「良い職場環境」と言える条件が数ある中、目に見えて成果を測ることのできる項目を抜き出し、「見えやすい基準」として設定されました。
5項目のうち、どこまで実現できているかを「見える化」することで、求職中の医療従事者に対してその医院の働きやすさが伝わる、今働いているスタッフの定着率が向上する、といったメリットがあります。さらには、働く人たちだけではなく、医院を訪れる患者さんにも「信頼できる組織」だとアピールできる機会にもなります。

また、達成できていない項目があったとしても、それは今後の職場環境改善目標の一つとして設定することができます。「ホワイト医療機関認定」を受けることで、きちんと目標を持って、信頼される職場づくりを進めることができるのです。

「ホワイトである」と示すことが、今後の医療業界で、医療従事者や患者さんに「選ばれる」ための重要な鍵となります。
貴院の努力と誠実さを、「ホワイト医療機関認定」という形で、社会に発信しませんか？

日本医療労働環境改善協会(JMWEIA)
岡田 詩穂